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除染、ゼネコンしか… 自治体、巨額予算を丸投げ

東京新聞2012年6月1日 07時06分

 福島県内で、東京電力福島第一原発から放出された放射性物質の除染が進むが、受注先の多くは大手ゼネコンが占めている。自治体の年間予算を超えるような巨額事業だけに、自治体はゼネコンの動員力に頼ってしまう。一方、きちんと積算した上での発注なのか、疑わしい事例も。現場を追った。 (増田紗苗)
 本紙が福島県内の自治体などに除染の発注状況を聞いたところ、表の通り大手ゼネコンの名前が並んだ。しかも、一契約当たりの金額が非常に大きい。
 例えば人口約五千三百人の広野町。例年の年間予算の二倍に当たる六十四億円で、清水建設と生活圏の除染を一括契約。人口約六万五千人の南相馬市でも、同予算の二百七十七億円を大きく上回る四百億円で、竹中工務店を中心とした共同企業体(JV)に一括発注した。自治体の担当者にとってはとてつもなく大きな事業規模。端数のない数字からは、本当にきちんと見積もりをしたのか疑問もわいてくる。
 ゼネコンに丸投げしているのでは? 率直に疑問をぶつけると、「市も地元業者も、今までやったことのない規模の事業。細分化して地元業者に発注すると、手続き業務が煩雑になり、こっちがパンクしてしまう」(伊達市市民生活部の半沢隆宏部次長)という答えが返ってきた。
 環境省が一月に一般競争入札で発注した楢葉町役場周辺の除染では、入札額の高値と安値の間に十二倍もの開きがあった。入札額がこれほど開くのは異例だ。環境省除染チームの担当者は「契約内容に問題はなかった」とした上で、「省もゼネコンも除染の実績が乏しく、手探り状態だった」と明かした。
 ゼネコンにとって除染はうまみがたっぷりなのか。「公共事業が減る中、仕事を取りたいという思いは各社とも強い」と大手ゼネコン関係者。一方、別のゼネコン幹部は「除染はノウハウが確立されておらず、人件費がかかるのでおいしい仕事ではない」と否定した。
 除染の現場を見ると確かに人海戦術。広野町の現場では山際の民家の庭で、ヘルメットに防じんマスク姿の男性十数人が、くわやスコップを手に表土を黙々と取り除いていた。 「地元中心に七百人の作業員を集めたが、作業が細かくて予想以上に時間がかかっている」。清水建設広野町作業所の松崎雅彦副所長がため息交じりに語った。遅れればその分だけ人件費がかさむ。その場合は、町が国に追加の予算措置を求めることにしている。
 既に自宅の除染を終えたという同町の自営業の男性(64)は「大人数で何日もかけて除染していたけど、本当に放射線量が落ちたのか分からない。気休めみたいなものだよ」とつぶやいた。
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 宮城県地域連合労働組合(宮地連)は3・11大震災の被災者支援活動を継続しています。
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