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「多い、難解」被害者悲鳴 東電の損害賠償請求書

「多い、難解」被害者悲鳴 東電の損害賠償請求書

河北新報2011年12月26日月曜日

 福島第1原発事故を起こした東京電力に対する損害賠償請求の書式として、東電が作成した「補償金ご請求書類」の評判が悪い。「膨大で分かりにくい」「東電の有利な方向に誘導される」と被害者の間で批判が相次いでいる。どれぐらい大変なのかを確かめるため、被害者の一人で南相馬市原町区の農業今野幸一さん(63)、長男勝幸さん(38)らと共に一家7人の書類を実際に書いてみた。(浦響子)

<状況理解せず>
 まず勝幸さん家族の4人分を記入した。書類は約60ページ。初めは「精神的損害」の項目だ。書類と別にある分厚い156ページの説明書をめくり、七つのパターンから該当項目を探す。勝幸さんの場合、月10万円だった。今回の対象期間の3~8月の6カ月分を書き込んだ。
 一時帰宅のときに掛かる「立ち入り費」は移動機会ごとに記す。自宅には6度帰ったが、記入欄は3回分しかない。東電のコールセンターに電話で尋ねると「コピーして記入してください」と言われた。「避難者の状況を理解していない」と勝幸さんがつぶやく。
 続いて「就労不能損害」。事故前、勝幸さんは飲料工場に勤め、妻(41)は介護士として働いていた。2人の平均月収を計算し、事故後の収入との差額を算出する。細かい作業だ。

<社員が説明を>
 計算中に子どもたちが幼稚園から帰って来た。2人とも遊び盛り。「つまんない」「トランプしようよ」と親の袖を引っ張る。「後でね」と諭すと、むずかりだした。
 記入のテンポは一気に落ちた。子連れ世帯の場合、書き上げるまでにかなりの時間とストレスがかかるだろうと感じた。
 所定の項目以外で請求したい事柄を書く「その他」欄の記入も面倒だ。避難に伴って月1万円高くなった幼稚園代、新たに買った家電と家財の代金、山形に家探しに来たときの交通費など挙げればきりがない。
 説明書に記入例がなく、どう書いていいのか分からない。箇条書きで
必要性や経緯を記した。
 4人分の完成まで15時間かかった。その間、コールセンターに7回電話した。そのたびに避難状況を一から説明するので、1回の問い合わせで15分以上を要する。
 勝幸さんは「説明書では分からない。東電社員は1軒ずつ回って一緒に書いてほしい」と話す。

<自宅は対象外>
 数日後、今度は南相馬市の自宅で、幸一さんと妻(63)、母(84)の書類を作成した。
 自宅住まいの人は精神的損害の対象外だ。幸一さん夫妻は、4月に避難先から自宅に戻った。5月以降は0円とみなされ、賠償を受けられる長男家族と差が生じる。
 自宅で暮らしても被ばくの不安を覚える。作物栽培もできず、息子夫妻や孫らとも離れ離れだ。
 幸一さんの妻が「避難してもしなくても苦しみは同じ。私たちも精神的損害を請求したい」と言い出す。
 「そんなことしても意味がない。家族の避難先と自宅間の移動費を請求した方がいい」と幸一さん。妻は「どんな思いで生活しているのか、東電に知ってほしいから請求したい」と引き下がらない。言い争いになって険悪な雰囲気になる。
 最終的に移動費などの実費を含めた精神的損害として、月10万円ずつを請求することにした。
 幸一さんら3人の書類作成は午前10時に始まり、終わったのは日が暮れた午後6時だった。

<今野さん一家>幸一さんと妻、母のほか、長男勝幸さんと妻、長女(6)、長男(4)。地元の介護施設に入っていた母を除く6人で自宅で暮らしていた。原発事故後、幸一さん夫妻は千葉県などに避難した後、自宅に戻った。母は千葉県の介護施設に移った。勝幸さん家族は山形市に避難した。現地の飲料工場でアルバイト勤務し、妻は休職している。
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 宮城県地域連合労働組合(宮地連)は3・11大震災の被災者支援活動を継続しています。
 このブログでは被災地に関連する報道を全国のみなさんにお伝えします。

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