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原発作業員から違法天引き 健診費、厚労省が実態調査へ

原発作業員から違法天引き 健診費、厚労省が実態調査へ

朝日新聞2012年9月20日10時09分

 東京電力福島第一原発の下請け会社が全額負担すべき作業員の健康診断費を給料から天引きしていたことがわかり、厚生労働省は19日、労働安全衛生法に違反するとして返金するよう指導した。この会社の関係者は「この辺りの業者はみんなやっている」と証言。厚労省は違法な天引きが横行している可能性があるとみて、実態調査に乗り出す。
 関係者によると、この作業員は6月、福島県いわき市の下請け会社に日給1万3千円で雇われた。法律で義務づけられている健康診断を受けたが、会社が全額負担すべき健診費約1万1千円を給料から天引きされた。さらに一人ひとりの被曝(ひばく)線量を記録する放射線管理手帳の作成費用として約6千円も引かれたという。
 作業員は天引きに加えて違法派遣で働かされたなどとして18日に厚労省福島労働局に指導を求めた。厚労省は悪質な事例とみて下請け会社から事情を聴き、翌日に指導するという異例の早さで対応した。同省の担当者は「事故後、このような天引きが発覚したのは初めて」としている。
 だが、健診費の「天引き」問題は原発労働の現場では以前からささやかれていた。作業員は朝日新聞の取材に「安全のための費用を押しつけられた。他の人も引かれているので、みんなに返して欲しい」と主張。下請け会社の関係者も「他の会社でも普通にやっているので違法と思わなかった」と話しており、行政が実態を把握できていなかった格好だ。
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再処理工場来年10月完工 1年延期正式発表 原燃

再処理工場来年10月完工 1年延期正式発表 原燃

河北新報2012年09月20日木曜日

 日本原燃は19日、使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の完工時期を、当初予定の10月から2013年10月に1年延期すると正式に発表した。東日本大震災の影響や技術的トラブルなどで工程は大幅に遅れた。
 同社はことし6月の試運転再開後は順調であることを強調。川井吉彦社長は青森市で記者会見し、トラブルのあった高レベル放射性廃液のガラス固化体製造試験について「技術的課題はクリアし、次のステップへの見通しを得られた」と述べ、1年後の完工に自信を見せた。
 06年3月の試運転開始後では10回目の延期。運転期間40年を想定した総事業費は1100億円増の12兆3100億円に膨らむ。ガラス固化体製造試験は、前半の事前確認試験を8月末に終了。今後はガラス溶融炉の点検と工場全体の法定点検を実施し、12月にも後半の安定運転確認・性能確認試験に移行したい考え。
 試験終了後、19日発足した原子力規制委員会から、溶融炉の使用前検査と試運転全体に関する評価を受ける。完工後は県や六ケ所村などと安全協定を締結する必要があり、営業運転の開始は完工の2~3カ月後になる見込みという。
 川井社長は同日、青森県に報告。佐々木郁夫副知事は「安全確保を第一にしっかりと安全運転してほしい」と要請した。
 六ケ所村の古川健治村長は「計画通りの操業を期待していたので延期は残念だが、試運転は順調に推移しており、今度こそ完工できると期待している」と語った。
 核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団代表の浅石紘爾弁護士(八戸市)は「度重なる延期は再処理技術の未熟さを証明している。核燃サイクル政策が破綻しているのに、再処理事業をこれ以上続けるべきではない」と批判した。

◎問題解決されず不透明感を増す

 【解説】日本原燃使用済み核燃料再処理工場は、完工時期の「2013年10月」への先送りが決まった。地元自治体には、試運転中に相次いだ技術的トラブルを克服するめどがついたとして、「本格操業が見えてきた」と期待する声もある。しかし、再処理を要とする核燃料サイクルの本質的な問題は何一つ解決されず、むしろ先行きは不透明感が増している。
 地元自治体の楽観論の背景には、枝野幸男経済産業相が15日、知事らに再処理事業維持を言明したことも影響している。核燃サイクル政策の継続が明確に担保されたと受け止めたのだ。
 しかし、政府がまとめた「革新的エネルギー・環境戦略」は原発ゼロ目標を盛り込み、原発の稼働を前提とする再処理事業の継続とは矛盾する。しかも、19日に閣議決定を見送り、新戦略はあいまいさが増した。
 政府の原発ゼロ方針は、福島第1原発事故を経て醸成された声に立脚し、国民の多くが原発再稼働に慎重だ。事故が起きれば、真っ先に被害を受けるのは地元。地元だからこそ、より厳しい目を注いでいく姿勢が求められている。
(青森総局・藤田和彦)

仙台市民の景況感、震災直後以来の悪化 4~6月期

仙台市民の景況感、震災直後以来の悪化 4~6月期

河北新報2012年09月20日木曜日

 東日本リサーチセンター(仙台市)が仙台市民を対象に行った景況調査によると、4~6月の景況判断指数(DI)はマイナス12.0で、前期(1~3月)より1.1ポイント悪化した。マイナス56.3を記録した東日本大震災直後の2011年4~6月以来、4期ぶりの悪化となった。
 DIは「良くなった」の回答割合(4.2%)から「悪くなった」(16.2%)を差し引いた。次期(7~9月)見通しDIはマイナス13.5と、さらに下降するとみられる。
 悪くなったと思う理由(複数回答)は「家計の収入減」(50.6%)「政府や行政の取り組み」(50.0%)「物価の動き」(30.2%)の順に多かった。
 同センターは「減収は雇用保険の失業給付が切れ始めたためではないか。混迷する中央政界に対する被災地の不満もうかがえる」とみている。
 自由に使える1カ月のお金(お小遣い)は、「増えた」(3.3%)から「減った」(20.2%)を引いたDIがマイナス16.9と、前期から1.8ポイント改善した。平均額は583円増の2万2186円だった。
 外食の回数が「増えた」(4.1%)から「減った」(31.2%)を差し引いたDIはマイナス27.1となり、3.9ポイント改善した。家族で1回の外食に使う平均額は4406円でほぼ横ばい。
 調査は7月、仙台市内に住む20~60歳代の男女計1000人を対象に行い、全員から回答を得た。

東北電とユアテック 太陽光発電事業スタート 被災沿岸中心

東北電とユアテック 太陽光発電事業スタート 被災沿岸中心

河北新報2012年09月20日木曜日

 東北電力とユアテックは19日、太陽光発電事業を担う新会社「東北ソーラーパワー」を仙台市内に設立した。岩手、宮城、福島3県の沿岸部を中心に太陽光発電所を建設し、東日本大震災からの被災地復興や地域活性化につなげる。
 新会社は来年度以降に出力500~2000キロワット程度の発電所を複数建設し、2020年ごろまでに合計出力を5500キロワット程度まで高める方針。本年度内に最初の建設計画について、立地場所も含めて具体化させる。
 発電した電力は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度に基づき、東北電力に売電する。発電所ごとに運営を担うプロジェクト会社を設けるとともに、利益の一部を立地自治地に還元し、省エネや環境施策に役立ててもらう地域密着型の事業展開を目指す。
 新会社の社長は東北電力の長浜寿執行役員グループ事業推進部長が兼務する形で就任。同社とユアテックからそれぞれ2人が常勤の役員や社員として出向した。資本金は5億円で、東北電が7割、ユアテックが3割を出資した。
 東北ソーラーパワーの平山成治常務は「地域のニーズにあった発電所を建設し、利益も長期間にわたって地元自治体などに還元することで、地域の復興や振興に貢献したい」としている。

東北、時給800円遠く 岩手・宮城、復興優先が背景

河北新報2012年09月18日火曜日

 最低賃金の底上げを目指す国の助成制度の利用が、東北で伸び悩んでいる。2011年度の導入後、徐々に浸透してきたが、東日本大震災の被災地を中心に申請件数は低迷が続く。もともと東北の最低賃金は全国最低水準にとどまっており、民主党政権が目指す時給800円実現への道のりは遠い。
 制度は最低賃金700円以下の都道府県が対象で、12年度は東北6県を含む33県が該当した。4年以内に時給800円への引き上げを目指す企業に対し、設備購入など業務改善にかかる経費を最大100万円補助する。
 東北の8月末までの申請は80件で、県別では青森8件(前年度実績1件)、岩手3件(0件)、秋田13件(17件)、宮城5件(2件)、山形25件(13件)、福島26件(2件)。全国計812件の申請に対し、東北分は1割にも届かない。
 岩手、宮城両県の低迷は、被災企業などが震災復興を優先させた結果とみられている。福島県の大幅増について、福島労働局は「原発事故による県外避難が長引き、労働力確保のために賃上げを迫られた側面がある」と分析する。
 民主党政権は10年、労使の代表を加えた雇用戦略対話で「20年までの早い時期に最低賃金800円を目指す」との目標を打ち出した。業務改善助成は賃上げに向けた施策の柱となるが、事業者側からは厳しい評価も出ている。
 岩手県内の経済団体幹部は「人件費は長く続く固定費。一時的な助成で底上げはできない」と指摘。東北の経済関係者の多くは「賃上げを実現するなら、政府による円高、デフレの解決が先決だ」と口をそろえる。
 最低賃金改善の動きは進んでいるとはいえ、東北の水準は全国最下位に近い650円台半ばが中心になる。東北で最高の宮城でも現行675円にすぎず、生活保護の給付水準さえも下回る。政府目標への道のりは遠い。
 東北の各労働局は「賃上げによる所得向上は地域経済を活性化させる。粘り強く業務改善助成の活用を促していきたい」と話している。

原発作業員の健康支援に“格差”

原発作業員の健康支援に“格差”

NHKweb 2012年9月12日 19時10分

 東京電力福島第一原発の事故で、下請け企業の作業員を対象にした検診費の補助制度で、厚生労働省が去年12月の冷温停止状態の宣言以降については新たに被ばく線量が基準を超えても補助の対象にしていないことが分かりました。
 専門家は「作業員はいまも高い線量の中で働いておりきめ細かな支援を続けるべきだ」と指摘しています。
 原発事故のあと、福島第一原発で行われている収束作業について、厚生労働省は現場の放射線量が高く作業員は被ばくの不安があるとして「緊急作業」に指定しました。
 これに伴って作業員の累積の被ばく線量が50ミリシーベルトを超えた場合は白内障の、100ミリシーベルトを超えた場合は、がんの定期検診を受けさせるよう事業者に求めこのうち下請けの中小企業には検診にかかる費用を補助する制度をつくりました。
 しかし、去年12月に政府が原子炉の冷温停止を宣言したことから、厚生労働省は「緊急作業」の指定を解除し、その時点ですでに基準を超えていた作業員に限って補助することにしました。
 これによって基準を超えていた人は引き続き定期的な検診への補助を受けられますが、事故直後から作業に当たり宣言以降に基準を超えた人や新たに作業に加わった人については補助を受けられなくなりました。
 宣言のあとに累積の被ばく線量が50ミリシーベルトを超えた人はことし7月までに180人を超えています。
 厚生労働省は「『緊急作業』が終わったあとは、ほかの原発と同様、特別な措置は必要ないと判断した」と説明しています。
 これについて被ばく医療について詳しい放射線医学総合研究所の理事の明石真言医師は、「冷温停止宣言という時間的な問題で放射線の健康への影響について線を引くのは理解しにくい。今も線量が高い場所も残っており、今後も基準を超える作業員は増えることが予想され、作業員の不安を解消するためにも支援は継続するべきだ」と指摘しています。
.作業員“待遇の差に違和感”
 福島第一原発で去年の夏から働いている30代の男性は、累積の被ばく線量は60ミリシーベルトを超えています。
 しかし、冷温停止宣言までの線量はおよそ15ミリシーベルトで、50ミリシーベルトを超えていなかったため健康診断費用の補助を受ける対象からは外れ、今後、自費で賄わなければならない可能性も出てきました。
 今も毎日のように収束作業に当たっているこの男性は、多いときには1日で1ミリシーベルト以上を被ばくし、今後、健康に影響が出ないのか不安に感じています。
 男性は「現場の線量は高いままで、緊急作業でなくなったという境目がまったくわからない。待遇に差が出ていることに違和感を感じる。技術をもった作業員の被ばく線量が高くなり働けなくなる人が増えているが、国のバックアップがないと、これから収束作業に当たろうという人が出てこなくなるのではないか」と話しています。

被ばく線量高い状態続く
 厚生労働省によりますと、福島第一原発で働く作業員が1か月に被ばくする放射線量の平均は、震災直後で20ミリシーベルトを超えていて、去年11月には1.35ミリシーベルトまで下がりましたが、冷温停止状態の宣言のあとも大きく下がらず、ことし6月時点でも1.04ミリシーベルトと通常に比べて高い状態が続いています。

作業員不足のおそれも
 厚生労働省は宣言以降、新たに収束作業に加わった人については、国が原発作業員への被ばくの影響を長期的に管理するために作った健康診断の内容などを記載したデータベースにも載せないことも決めています。
 このため作業員の間からは「健康管理がしてもらえないのであれば、継続的に収束作業に関わることができなくなる」と不安の声が相次いでいて今後、作業員不足につながるおそれも出てきています。

東日本大震災から1年半 34万人、なお避難生活

東日本大震災から1年半 34万人、なお避難生活

河北新報2012年09月11日火曜日

 最大震度7の激震が東北を襲い、巨大津波が街や浜をのみ込んだ東日本大震災から、11日で1年半となった。警察庁のまとめでは10日現在、死者は1万5870人、今なお2814人の行方が分からない。34万3000人が仮設住宅や民間の借り上げ住宅で避難生活を強いられている。被災地では、生活再建に向けた本格的な復興は緒に就いたばかり。集団移転やコミュニティー維持など課題が山積する。
 被災地では11日、沿岸部で行方不明者の集中捜索を実施。マグニチュード(M)9.0の地震が発生した午後2時46分には、一部の自治体で黙とうを呼び掛けた。犠牲者を追悼する催しも開かれ、時の流れの節目に住民らが手を合わせた。
 被害の大きい東北3県の死者は宮城9527人、岩手4671人、福島1606人。不明者は宮城1394人、岩手1205人、福島211人。
 全国の死者・不明者1万8684人に、体調を崩すなどした震災関連死1632人を含めると犠牲者は2万人を超えた。
 地域や暮らしの礎を築く防災集団移転促進事業は、岩手、宮城、福島の被災3県26市町村で約2万8000戸を対象に動き始めたが、災害公営住宅の着工は遅々として進まない。
 復興庁によると、県外への避難者は被災3県で7万900人。被災自治体は人口減少や地域再生、被災者の心のケアなどの問題に直面し、今もがれき処理や福島第1原発事故による被害、風評に苦しんでいる。

焦点 災害公営住宅着工率1.6% 用地と人手足りず 東北
災害公営住宅着工率・河北・120909


河北新報2012年09月09日

 東日本大震災で被災した東北地方で、災害公営住宅(復興住宅)の建設が進んでいない。青森、岩手、宮城、福島4県が計画する2万7667戸のうち、1日時点で着工したのはわずか1.6%だ。多くの仮設住宅が居住期間(現段階で3年間)を終える2014年度末までの完成は4割にとどまる見込み。背景には、被災地の適地不足と自治体職員の人手不足が横たわる。

<入居開始は24戸>
 建設戸数や入居完了予定時期は表の通り。4県の沿岸39市町村と、建設予定がある内陸の7市町にアンケートするなどして調べた。
 県別の建設戸数は青森が67戸、岩手5600戸、宮城1万5000戸、福島7000戸。地震で被災した内陸部では、大崎市や宮城県涌谷町などが建設するほか、一関市が検討する。福島は地震や津波の被災者に加え、福島第1原発事故の避難者向けにも用意する。
 これまで完成したのは相馬市の2棟24戸。土地の造成や基礎工事に入ったのは八戸市や岩手県岩泉町、大船渡市、仙台市、岩沼市、宮城県山元町、相馬市の7市町の445戸で、着工率は1.6%だ。

<国「延長判断も」>
 仮設住宅の入居期間は原則2年から1年延長され、大半の住宅は現段階で14年度中に期限となる。14年度末までに全戸完成の見込みは、釜石市や岩沼市など15市町村の計1万656戸(38.5%)。東松島市は17年度末を見込む。
 阪神大震災では、仮設住宅の入居期間が3度延長され、被災者は最長で5年間入居した。厚生労働省は「復興状況や復興住宅建設の進行具合をみて、延長の必要性を判断する」という。
 建設の遅れの要因について、多くの自治体は「適地がない」と口をそろえる。沿岸の高台や内陸の平地は既に仮設住宅が立ち並ぶ。「新たに高台を造成せざるを得ず、どうしても時間がかかる」(宮城県女川町)
 気仙沼市や東松島市は土地不足から、津波被害を受けた学校などの公共施設跡地に復興住宅を建てる。
 人手不足や事務手続きの煩雑さも自治体を悩ませる。復興交付金の申請手続きや用地の調査・測量に追われる石巻市は「技術職員が足りない」、相馬市は「土地の抵当権や相続関係の整理に人と時間が必要」と説明する。

<民間住宅を活用>
 工事期間の短縮を狙い、釜石、石巻、東松島、大崎、仙台の各市と宮城県亘理町は民間企業が新築した集合住宅や一戸建て住宅を買い上げたり、借り上げたりする。東松島市は全体の3分の1を買い上げて復興住宅にする。市建設課は「用地造成に時間がかかる分、民間のノウハウを生かして少しでも早く完成させたい」と語る。
 福島第1原発事故の影響で、福島県の一部では戸数の試算や場所の選定もできていない。県は避難者向けに復興住宅5000戸を整備する方針だが、「具体的な話はこれから」という。
 町全域が警戒区域の富岡町は「現時点では県営住宅を他の自治体内に建ててもらうことになる。受け入れてくれる自治体と丁寧に調整したい」(企画課)と話す。

被災3県 建設の労災なお多発 着工増、工期優先影響か

被災3県 建設の労災なお多発 着工増、工期優先影響か

河北新報2012年09月05日

 東日本大震災後、復旧作業が加速する岩手、宮城、福島3県で、建設業の労災事故が多発している。着工数の増加に加え、工期を優先した工程管理が影響したとみられる。3県の労働局は、復興関連の工事が本格化する秋口以降をにらみ、安全管理の徹底を呼び掛けている。
 宮城労働局によると、ことし1~7月の建設業の労災事故による宮城県内の死傷者(死亡、4日以上の休業を伴うけが)は288人。昨年同期を101人上回るハイペースが続いている。労災は全産業で増えているが、建設業の増加率は平均(38.5%)を大きく上回る54.0%となった。
 事故内容は、建屋からの転落のほか、重機との接触といった作業計画の不備、不履行に伴うものが多い。同局健康安全課は「作業員や資材の不足で工事中断に追い込まれ、その後、工期を間に合わせるために安全管理がおろそかになった側面もある」と分析する。
 福島県も宮城と同様の傾向を示す。福島労働局管内の1~7月の建設業の労災は218人で、前年同期より40人(22.4%)増えた。同局は「除染作業待ちで復旧に入っていない地域も多い。工事が本格化すればさらに増加する可能性がある」と警戒する。
 一方、岩手県内は前年同期を8人下回る129人にとどまった。被害が比較的軽微だった内陸部で着工件数が増えていないためとみられるが、震災前の2010年同期との比較では31.6%増の高水準になっている。
 被災地では今後、護岸や土地のかさ上げなど大型公共工事が本格始動する。多数の重機を投入する土木工事では、重大事故のリスクも高まる。被災3県の労働局は「パトロールなどを通じて事故防止に目を光らせていきたい」としている。

高校新卒者求人 被災3県大幅回復 宮城19年ぶり1倍超す

高校新卒者求人 被災3県大幅回復 宮城19年ぶり1倍超す

高卒者求人数・河北・120906

河北新報2012年09月06日

 来年3月に卒業する高校生の就職試験が16日から始まるのを前に、企業の応募書類の受け付けが5日、始まった。東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の県内求人数は、震災の影響で激減した昨年同期に比べて大幅に回復。復興需要のある業種を中心に、震災前を上回る水準に達した。生徒も地元企業への就職に意欲的で、高校側は「一人でも多く採用を」と期待している。
 震災で多くの企業が被災した石巻市にある石巻市女高では、3年生193人のうち、63人が就職を希望する。昨年はこの時期、地元企業の求人数は10人ほどだったが、ことしは45人に上った。
 5日は学校推薦で16日以降の就職試験に臨む58人分の応募書類を発送した。葛西智治進路指導部長は「求人数は震災前の水準以上。震災を経て働くことに意欲を持った生徒が増えているので、多くの生徒をいい結果につなげたい」と話す。
 各県の労働局によると、来年に卒業を予定する高校生の県内求人数と、就職を希望している高校生数は表の通り。
 3県の求人数は前年同期の2倍前後。宮城県の県内求人倍率は1.09倍に達し、バブル崩壊後の1994年3月卒以来、19年ぶりに1倍を超えた。岩手県の求人数は、この10年で最も多かった2008年3月卒(1902人)を上回った。
 産業別では復興需要などの影響で建設業、製造業、宿泊・飲食業、警備業などが大幅に増えた。職業安定所別の求人数も、昨年同期に比べ気仙沼が10.1倍、大船渡が6.8倍、石巻が4.6倍などと好調だ。
 宮城労働局職業安定課は「従業員100人未満の地場中小企業からの求人が伸びているのが特徴」と分析した上で「人手不足などを背景に企業は早めに採用に動いている。しかし、再建していない企業も多く、今後も求人数に伸びしろがあるかどうかは不透明だ」と話している。

水産特区適用、石巻1社のみ 宮城知事「全国モデルに」

水産特区適用、石巻1社のみ 宮城知事「全国モデルに」

河北新報2012年09月04日

 村井嘉浩宮城県知事は3日の定例記者会見で、年内にも国に申請する「水産業復興特区」の適用対象を、石巻市桃浦地区のカキ養殖業者15人が8月30日付で設立した合同会社のみとする方針を明らかにした。
 村井知事は、特区を導入する漁業権の免許更新時期が2013年9月に迫っていることを踏まえ、「時間的に見て(特区の活用は)桃浦地区で進める形になる」と説明。「桃浦のような小さな浜でも漁業を続けられるという全国モデルにするため、実証実験の場にする」と意欲をみせた。
 桃浦地区以外での特区活用に関して「13年の次の免許更新時(18年度)からになるが、5年間の桃浦地区の成果を見て判断する。桃浦は試金石になる」との見通しを示した。
 8月31日の宮城県漁協への説明で、県漁協があらためて反対を表明したことにも言及。「漁業者が減少し続け、漁協がカバーしきれなくなる時代が来る。民間企業との組み合わせで浜を存続させることが漁協のためにもなる」と理解を求めた。
 村井知事は「県漁協とけんか別れする気はない。県漁協に加え、桃浦地区周辺の浜にも説明する機会を設けたい」とも強調。引き続き説得に努める考えを示した。

宮城県が水産特区を年内にも申請 石巻の漁業者ら新会社

石巻市桃浦地区・カキ養殖・水産業復興特区

石巻市桃浦地区

河北新報2012年09月01日

 村井嘉浩宮城県知事は31日、沿岸漁業権を民間企業に開放する「水産業復興特区」の設置を、年内にも国に申請する方針を明らかにした。特区活用を前提に、石巻市桃浦地区のカキ養殖業者15人は同日までに合同会社を設立した。宮城県は2013年9月の漁業権更新に合わせ、新会社に漁業権を与える意向だ。
 村井知事は同日、宮城県漁協(石巻市)を訪れ、特区申請の方針を伝えた。県漁協の菊地伸悦会長は「長年培った浜の絆と環境が壊れ、混乱をもたらす」と述べ、あらためて反対姿勢を示した。
 村井知事は報道各社の取材に対し、「漁業者は激減し、高齢化も進む。漁業再生のモデルとして取り組みたい」と、実現に強い意欲をみせた。
 新会社は「桃浦かき生産者合同会社」。設立は8月30日付。養殖カキの生産、加工、販売を一括して展開し、漁業の6次産業化を目指す。参加する養殖業者は、新会社から給与を受け取る。
 同社には、仙台市の水産卸「仙台水産」が今月中旬から経営参加する予定。同社の販売網を活用し、新商品開発により販売ルートを拡大する。
 合同会社の大山勝幸社長(65)は取材に対し、「漁業を自力再建するのは難しく、このままだと人がいなくなる。浜を残すには漁業が必要で、そのためにも新会社を設立した」と話した。
 特区申請を踏まえ、県は、11日開会の県議会9月定例会に提案する2012年度一般会計補正予算案に、特区を活用する法人などの経営支援を見据えた2事業に7億円を計上する方針を固めた。
 被災した小規模養殖漁業者を対象に、事業再開に向けた資材、機材の確保、6次産業化を視野に入れた設備導入などを新たに支援する。
 特区構想は、村井知事が東日本大震災直後の昨年5月に提唱した。漁業権の開放をめぐり県漁協は猛反発し、約1万4000人の反対署名を提出している。
 一方、津波で集落の65軒中、61軒が流失した桃浦地区の一部漁業者は趣旨に賛同。同地区の漁業者と県、仙台水産の3者が水面下で協議を続け、ことし6月下旬に大筋で合意した。
 [水産業復興特区] カキ、ホタテなど三陸沿岸の養殖漁業に民間投資を呼び込むため、漁協が独占的に持っている漁業権を法人・企業にも開放する。参入する法人・企業は、地元漁業者が民間資本を活用して設立した法人か、地元漁業者を社員とする民間企業を想定する。

宮城県水産特区構想急展開波乱含み 知事と漁協会長対立

宮城県水産特区構想急展開波乱含み 知事と漁協会長対立

河北新報2012年09月01日

 水産業復興特区の提唱から約1年4カ月。村井嘉浩宮城県知事は31日、同特区の設置を国に申請する方針を明らかにし、構想は実現に向け急展開した。一貫して反対姿勢をとる宮城県漁協は激しく反発。県が特区導入のタイミングとする漁業権の免許更新を来年9月に控え、その行方は波乱含みの様相を呈している。
 「漁協をつぶすつもりも、漁師を追い出すつもりもない。(被災した漁業者が)自分の足で立ち上がろうとする制度なので、やらせてほしい」
 同日午後2時半、村井知事は石巻市の県漁協本所を訪れ、菊地伸悦会長ら漁協幹部と会談。特区申請の意向を伝え、桃浦地区の漁業者が設立した合同会社を県漁協組合員にするよう要望した。
 知事の説得を、菊地会長は「復旧は道半ばだ。浜に混乱をもたらすような特区は到底容認できない」と一蹴。同席した約20人の漁協幹部も口々に反対を唱えた。
 会談は約1時間。村井知事は「申請だけは理解してほしい。そのためなら、いつでも出向く」とさらなる説得に意欲をみせたが、菊地会長は「組合員たちはどうしても認められないとの意見だ」と折れることはなかった。新会社の漁協加入には「資格審査に沿って粛々とやる」と述べた。
 県漁協に先立ち、村井知事は桃浦地区を訪ね、新会社を設立する漁業者と意見交換した。
 同地区は集落が津波に流され、漁港も壊れたまま。海中にはがれきが転がる。多くの漁業者が廃業を考えたが、それは集落の消失につながる。漁業の継続と集落の存続を、水産特区による復興に託した。
 合同会社の社長に就任した大山勝幸さん(65)も「漁師が廃業すれば、住民は戻らず、壊れた港も復旧されない。集落を存続させ、浜を元通りにするためにも、会社をつくり漁業を続ける」と決意を語った。

<首相が計画認定、県から免許交付>

 水産業復興特区の設置は、宮城県が復興特区法に基づき、国に申請する。漁業法で定める漁業権免許の優先順位の特例地域として、東日本大震災の被災地で、地元漁業者だけでは養殖業の再開が困難な浜に適用される。
 申請に当たり、県は地元の実情などを記載した「復興推進計画」を策定。農林水産大臣の同意を得て、首相が認定する。
 その後、知事は特区活用を申し出た「地元漁業者の7割以上を含む法人」か「地元の漁業者7人以上で構成される法人」を審査。事業計画や、他の漁業との協調に支障を及ぼさないことを前提に免許を与える。

失業手当切れた人の6割超、就職できず 被災3県

失業手当切れた人の6割超、就職できず 被災3県

朝日新聞2012年9月1日03時02分

 東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島の3県で、沿岸部などに限って延長された失業手当の給付期間が切れた人のうち、6割以上が就職できていないことがわかった。厚生労働省が31日発表した。
 3県とも復興需要で求人は震災前をはるかに上回る水準に回復しているが、求人内容と求職者の希望のミスマッチが解消されていないことが背景にある。
 失業手当は原則、退職時の年齢や雇用保険の加入期間などによって90~330日の給付期間が決まるが、現在は2008年秋のリーマン・ショック後の雇用対策で原則60日延長されている。震災による離職については昨年5月に60日間延長され、さらに3県の沿岸部などでは昨年10月から90日延びた。
 厚労省は、最後の90日の延長期間が6月末までに切れた1万5243人(岩手2120人、宮城7498人、福島5625人)の7月15日時点の就職状況を調べた。
 3県全体では5355人が就職し、就職率は35.1%だった。県別では岩手45.6%。宮城40.5%、福島24.1%。一方で3県の計19.0%の人は仕事を探していないか、探す予定がないと答えた。

除染後も帰還困難水準に モデル事業最終結果

除染後も帰還困難水準に モデル事業最終結果

朝日新聞2012年8月23日

 東京電力福島第一原発の事故に伴い、住民が避難した福島県の11市町村の15カ所で国と日本原子力研究開発機構が進めた除染モデル事業の最終結果がまとまった。線量が最も高い地区では、作業後も年間50ミリシーベルト超の「帰還困難区域」の水準にとどまった。作業員の最大被曝(ひばく)線量も、作業を5年続けると国の限度を超える値だった。
 モデル事業で最も線量が高かった大熊町の夫沢地区(約17ヘクタール)は、福島第一原発から2キロの距離で針葉樹林近くの民家や農地を含む。雨どいを掃除し、庭の表土をはいだ。周囲の道路は超高圧洗浄で洗い、小さな鉄の玉をぶつけて表面を壊して薄くはぎとった。平均で毎時14.5マイクロシーベルトに落ちたが年間76ミリシーベルトの換算で、帰還困難区域の目安となる年50ミリシーベルトを超えていた。
 同機構の担当者は「除染範囲の外からの影響を受けたことと、丁寧に作業しても取りのぞけない部分があった」と推測する。ただ、農地では毎時5.7マイクロシーベルトまで下がった地点があり、一定の効果はみられたという。
 作業員の最大被曝線量は森林の作業監督の11.6ミリシーベルト(108日間の累積)で、飛び抜けて高かった。国が定める限度は5年間で100ミリシーベルトかつ1年間で50ミリシーベルト。この作業員が年240日間作業すると5年間で129ミリシーベルトになり、限度を超える計算だ。国は「手順の効率を考えたり機械化を進めたりして、線量管理していく」と説明する。
 モデル事業は除染の手法や除去物の保管方法などの確立が目的で、約80億円かけて進められた。双葉町は「現在の除染技術は信用できない」として実施しなかった。(木村俊介)

キノコの森林 後回し 出荷できず農家ため息

キノコの森林 後回し 出荷できず農家ため息

東京新聞2012年8月22日 朝刊

「街の中はともかく、こんな広い場所を除染するなんて、途方もない話。不可能に近いよ」
 薄暗く湿気の多い山林に、長さ約九十センチの原木が縦横に並ぶ。東京電力福島第一原発から百キロ以上離れた栃木県鹿沼市。無農薬にこだわり、原木シイタケ作りを四十年以上も続ける農家岩本文雄さん(71)は、広大な山林を見渡した。
 一万二、三千本の原木から、春と秋に毎年計八トンのシイタケを収穫してきた。しかし、鹿沼市産の原木生シイタケから国の基準値を超える放射性セシウムが検出され、四月に出荷停止に。岩本さんは、今年は原木に菌を植えるのもやめた。「今の原木は汚染されて、恐らくもう使えない」。東電から賠償金は出るが、生業を封じられた悔しさが募る。
 栃木県産の原木生シイタケは、生産量が全国二位(二〇一〇年)。それも含めて、栃木県産キノコが市場から消えてしまう危機にある。昨秋から、露地栽培のナメコ、クリタケ、シイタケなどが相次いで基準値超えし、多くの市町で出荷停止に追い込まれている。郷土料理の食材の野生チチタケからも最近、基準値の数百倍のものが見つかった。
 だが、産地の森林は除染が手付かずのままだ。
 国の「汚染状況重点調査地域」に指定された鹿沼市は、西北部の山間部を中心に一時間当たりの空間放射線量が〇・二三マイクロシーベルトを超える。市が定めた除染実施計画では、子どもが集まる小学校や公園、公共施設を最優先とし、山林や里山は事実上未定の扱いだ。
 林野庁の担当者は、除染について「人への影響という観点が前提」と指摘。人の出入りが少ない森林や農地は、どうしても後回しになる。
 政府の原子力災害対策本部が定めた森林の除染方針では、面積の大きい森林で腐葉土をはいだりすれば「膨大な除去土壌が発生し、森林の災害防止機能を損なう可能性がある」と、森林全体の除染には慎重。「落ち葉の除去は、林縁から二十メートル程度の範囲を目安に行う」としているだけだ。
 環境省は、日常的に人の出入りがあるキノコ生産地も除染対象にするよう検討している。「森林や農地を除染する目的は、継続的に営農できるようにすること。放射線量を下げることだけが目的ではない」。栃木県原子力災害対策室は強調するが、長期戦を強いられそうだ。
 県は放射性物質に汚染された原木を交換するため、新たに七十五万本を調達しようと奔走している。新品の原木を使ったシイタケの試験栽培も始めた。キノコが旬になる秋を前に、先の見えない模索が続く。

<除染実施計画> 放射性物質汚染対処特措法に基づき、汚染状況重点調査地域の市町村がそれぞれ策定。除染する区域や方法、対象施設の優先順位などを明記している。2013年8月末までに、年間の追加被ばく線量を11年8月末と比べて約50%(子どもは約60%)減らし、長期的に追加被ばく線量を年間1ミリシーベルト以下にすることを目指す。

原発風評で宮城の農水産物、深刻 直売所販売平均16%減

原発風評で宮城の農水産物、深刻 直売所販売平均16%減

河北新報2012年08月22日

 福島第1原発事故後、宮城県内の農林水産業に販売額の減少や取引中止といった深刻な風評被害が広がっていることが21日、宮城県の実態調査で分かった。農産物直売所は今春、平均16%の販売減となり、減収額が3000万円を超えた農家もある。県は、県産農林水産物の風評被害を賠償対象に加えるよう国への要請を強化していく。
 調査対象となった40カ所の農産物直売所のうち、38カ所が「風評被害があった」と回答。減収額は500万円未満が20カ所、1000万未満が4カ所、1000万円以上が6カ所。ことし4~5月の来客数と販売額は平均で16%、最大で80%落ち込んだ。コメや大豆、野菜を有機栽培する農家は122人のうち96人が被害を訴えた。減収額は平均285万円で、最大3000万円に上った。
 水産業では、内水面養殖の22業者のうち82%が「影響がある」とした。被害内容は「販売減」49%、「契約解除」18%、「価格低迷」15%。被害額は100万~500万円が46%で最多。1000万円以上も29%いた。
 水産加工業者は48社のうち35社が、取引中止などの影響を受けている。魚価も下落し、県内の沿岸・沖合産のタラ類とイサダは平均価格が震災前の50%を下回った。
 食品製造業では、回答した58社のうち33社が被害を申告。受注減が38%、検査費用の増加が33%を占めた。損害額を答えた20社の累計損害額は9億6000万円だった。調査はことし6~7月、県内の農林水産物の生産者、関連業者から県が聞き取りした。宮城県農林水産部は「風評被害の実態をデータで示し、損害賠償に応じるよう国と東京電力に働き掛ける」と話した。

仙台東部沿岸 農地・担い手の再編足踏み

河北新報2012年08月05日日曜日

 津波被害を受けた仙台市東部で、農地と地域農業の担い手の再編をめぐる集落の話し合いが、思うように進んでいない。被災農家が仮設住宅に分散する沿岸の集落は、協議の場を設けることすら難しい。多くの高齢農家の離農が見込まれる中、集落営農組織を含め想定される担い手が、その農地の受け皿になり得るかどうかも不確かな状況だ。仙台市は農家の意向を踏まえ、貸借を軸に農地を集約し担い手に配分する再編案を作り、盆明けにも集落に提示。合意形成の加速を促す考えだ。(編集委員・佐々木恵寿)

 ●180ヘクタールが浸水
 甚大な被害に遭った沿岸にある若林区荒浜。耕地面積は津波をかぶった市東部農地の1割に当たる約180ヘクタール。農家は約180戸に上る。
 「70歳を超した人が多く、津波で失った農機を個人で買い、また田んぼを作ろうという気はほとんどない。だが、みんなバラバラの仮設暮らし。とても一堂に集まり話し合うことなどできない」
 こう話すのは農協の集落組織・荒浜実行組合の組合長佐藤善一さん(64)。沿岸の集落は似たり寄ったりの状況にある。
 市は、被災農地で予定される国営圃場整備事業の計画作りを機に、集落営農組織への農地集積を軸に、営農再開に向けた話し合いを集落に促している。だが、被災農家にとっては新たな住宅確保を含む生活再建が優先課題で、農業再生をめぐる議論は遅れがちだ。

 ●集落越えて
 荒浜地区には担い手として集落営農組合がある。ただ、専業のリーダーたちが震災の犠牲となり、今後を担う主力の5人はいずれも兼業。耕せる面積は稲作で40ヘクタール程度と、集落の農地を残らず担うのは難しいという。
 佐藤さんは「荒浜を含む、より広い七郷地区の中で面倒を見てもらえないか」と、集落を越えた営農の再編を提案する。
 市にも懸念がある。来春に被災農地の半分に当たる約900ヘクタールで作付けが可能になる。だが、営農を断念する農家の数が膨らんだ場合、農地の受け手に想定する営農組織や農業法人、認定農業者で対応しきれるのかどうか、見通せないからだ。
 状況次第では来春の本格的な営農再開に「赤信号」がともりかねない。

 ●合意を促す
 このため市は、仙台農協などと協力して土地利用調整に乗り出す。
 自ら営農を続けるか、農地を貸し出すか、作業を委託するかについて、一部でアンケートも実施し農家の意向を把握。それらを図面に落とし、可能な限り農地を面的に集約し、集落を越えて担い手とのマッチングを図り各集落に示す方針だ。
 市は「たたき台として示すもので、あくまで集落での合意形成が基本だ。ただ、担い手に円滑に農地を集約する仕組みをつくる上で試金石となる取り組みでもあり、農家の理解を得ながら進めていきたい」(東部農業復興室)と話している。




被曝隠し「以前から」証言続々 車内に放置や預かり役も

被曝隠し「以前から」証言続々 車内に放置や預かり役も

朝日新聞2012年8月6日

 東京電力福島第一原発で働く30代男性は今年5月、原発構内の免震重要棟の駐車場に止めたワゴン車の後部座席に約20組の「3点セット」を見つけた。その日の被曝(ひばく)線量を表示する線量計「APD」、長期間の累積線量を測るバッジ型線量計、そして作業員の身分証がひとくくりに束ねられていた。3時間後にのぞいてもそのままだった。被曝線量の限度を超えたら原発で働けなくなるため、線量計を残して現場へ向かったと確信した。その後も同じ光景を5回ほど見たという。
 40代男性は3~4月、同じ駐車場で特定の車の中に10組以上置かれているのを10回ほど見た。別の車内で見かけたこともある。
 東電は被曝隠しについて「把握したことはない」としてきたが、今月3日に下請け作業員がAPDをつけないで働いたと発表。過去に同様の事例があったと記者会見で認め、調査に乗り出す方針を明らかにした。
 鉛カバーによる被曝隠しを報道した後、原発で働いた人の体験談が相次いで寄せられ、10人以上が取材に応じた。その証言から、昨年の原発事故の前から各地で被曝隠しが横行していた実態が見えてきた。(青木美希)

■多い年度末の指示

 福島第一原発の駐車場で線量計「APD」が放置されているのを目撃した30代男性は約10年前、同原発1~6号機の原子炉格納容器の中で作業した。この時は原子炉建屋内に用意されていたティッシュペーパーの箱ほどの大きさの鉛の箱にAPDを入れておくよう、下請け会社の責任者からしばしば指示されたという。
 作業は毎回1時間ほど。APDに表示される被曝線量は、鉛の箱に入れたらほぼゼロ、身につけて作業すると0.3~0.4ミリシーベルトだった。こうした指示は、元請け会社が定めた年間被曝線量20ミリシーベルト程度に近づく年度末に出ることが多かったという。
 男性は繰り返し取材を受けるなかで「まともにAPDをつけていると、線量が高くてアラームが鳴り、仕事ができなくなる。鉛の箱に入れておくのは当たり前だと思っていた」と振り返った。原子炉建屋内の操作盤の裏に隠し、下請け会社の放射線管理者から「見つからないようにね」と声をかけられたこともあった。
 「本当はどのくらいの放射線を浴びたのか、わからない。会社はがん検診も受けさせてくれない。健康がすごく心配です」
 取材班に寄せられた被曝隠しの手法は様々だ。
 西日本にある複数の原発で働いた70代男性は十数年前の現役時代、作業員が線量の低い場所で待機する同僚に線量計を預ける場面を何度も見た。「電力会社やプラントメーカーの社員も見て見ぬふり。現場で長年働いた人なら、誰でも知っていることだ」と語る。
■裁判で争う例も

 被曝隠しをめぐって裁判中の人もいる。下請け作業員だった福岡市の梅田隆亮さん(77)は、1979年に島根原発と敦賀原発で線量計や防護マスクを外して働かされたなどと主張。被曝が原因で心筋梗塞(こうそく)を患ったとして、労災を認めなかった国の処分の取り消しを求めて今年2月に福岡地裁に提訴した。「作業員は会社の圧力が怖くて証言しにくい。国にも問題を繰り返し訴えてきたが、調査もしてくれない」と言う。
 福島第一原発に定期的な立ち入り調査をしたことがある厚生労働省幹部は「原発は限られた人しか入れない密室。線量計を外したといううわさを聞いても証拠をつかむことは難しい」と明かす。(多田敏男)

原発下請け被曝、電力社員の4倍 より危険な業務に従事

電力社員とその他の作業員の平均被曝線量の推移
被ばく線量ごとの電力社員とその他の作業員の割合

朝日新聞2012年7月26日

 原発で働く電力会社社員に比べ、請負会社など社外の作業員の放射線被曝(ひばく)が平均で約4倍の線量にのぼることがわかった。全体の9割近くが社外の作業員であるため、総被曝線量では約30倍になる。安全教育の水準に差があることに加え、より危険な業務に下請け作業員を当たらせたためとみられ、「下請け任せ」の実態を映し出している。 電力各社は毎年、各地の原発で作業員が被曝した線量の分布を「社員」と「その他」に分けて経済産業省原子力安全・保安院に報告している。「その他」はメーカーや下請けなど「協力会社」の請負作業員らだ。
 最新の報告によると、福島第一、第二を除く国内すべての原発で、2010年度に放射線業務をしたのは延べ6万2961人で、被曝線量は平均1ミリシーベルト(総線量61シーベルト)だった。このうち、88%の5万5260人が「その他」で、平均1.1ミリシーベルト(総線量59シーベルト)。「社員」の平均0.3ミリシーベルト(総線量2シーベルト)を大きく上回った。
 被曝者全体に占める「社員」の割合は被曝線量が高くなるほど減っている。5ミリシーベルト以下の被曝では13%だが、5~10ミリシーベルトでは0.48%、10~15ミリシーベルトでは0.24%。15ミリシーベルト超の被曝をした281人(最高19.6ミリシーベルト)は全員が「その他」だった。
 この傾向は10年度以前から続いている。09年度の福島第一では、「その他」の9195人の被曝は平均1.5ミリシーベルト(総線量14シーベルト)で、東京電力社員1108人の平均0.8ミリシーベルト(総線量0.85シーベルト)を大きく超えた。10ミリシーベルト超の被曝をしたのは257人で、このうち東電社員は2人だけだ。
 通常時の原発では、男性の線量の上限は年間50ミリシーベルト。それを上回った報告はなく、急性放射線障害は出ない値だが、長期的な影響ははっきりしない。
 事故後の福島第一に限ってみると、東電社員が相次いで高い線量を浴びたため今年5月までの被曝線量の平均は「社員」が上回ったが、被曝人数は「その他」が「社員」の5倍を超えた。
 この格差を研究している東大大学院工学系研究科の縄田和満(なわた・かずみつ)教授(計量経済学)は、「安全教育の責任を問われない請負労働者を使用する動機が電力会社にはある。直接雇用の社員か、法の規制を受ける派遣労働者に置き換える必要がある」と提言している。(奥山俊宏)

農業特区認定を申請 宮城県、企業などの投資促す

農業特区認定を申請 宮城県、企業などの投資促す

河北新報2012年07月24日火曜日

 宮城県は23日、東日本大震災の復興特区制度に基づき、農業分野を民間投資促進特区に認定するよう、石巻市など県内11市町と共同で復興庁に申請した。
 計画によると、特区の対象は農業、農産品の加工、農家レストランなど。新規立地企業の法人税5年間免除、投資に対する特別償却や税控除を認める内容になっている。
 農業法人の設立や農家と企業の連携による経営の大規模化、農産品の付加価値を高める取り組みを進め、生産力と収益力の高い農業を目指す。
 高橋正道県農林水産部次長が同日、仙台市青葉区の宮城復興局を訪れ、小泉智明参事官に申請書を渡した。高橋次長は「被災した沿岸部は果物、野菜をビニールハウスや工場でつくる施設園芸をリードしてきた。施設園芸と稲作の復興を両輪として進めたい」と話した。
 県内で特区の認定を受けたのは「情報産業特区」など7件。農業分野では仙台市の「農と食のフロンティア推進特区」が認定されている。

線量計に鉛板、東電下請けが指示 原発作業で被曝偽装

鉛カバー

下請け

朝日新聞2012年7月21日

 東京電力が発注した福島第一原発の復旧工事で、下請け会社の役員が昨年12月、厚さ数ミリの鉛のカバーで放射線の線量計を覆うよう作業員に指示していたことがわかった。法令で上限が決まっている作業員の被曝(ひばく)線量を少なく見せかける偽装工作とみられる。朝日新聞の取材に、複数の作業員が鉛カバーを装着して作業したことを認めた。役員は指示したことも装着したことも否定している。厚生労働省は、労働安全衛生法に違反する疑いがあるとして調査を始めた。
 朝日新聞は、福島県の中堅建設会社である下請け会社「ビルドアップ」の役員(54)が偽装工作したことを示す録音記録を入手した。昨年12月2日夜、作業員の宿舎だった福島県いわき市の旅館で、役員とのやりとりを作業員が携帯電話で録音していた。
 役員はその前日、作業チーム約10人に対し、胸ポケットに入るほどの大きさの線量計「APD」を鉛カバーで覆うよう指示した。だが3人が拒んだため、2日夜に会社側3人と話し合いがもたれた。役員は録音内容を否定するが、この場にいた複数の作業員が事実関係を認めている。

宮城・女川町の復興工事一括発注 URと協定、迅速化図る

宮城・女川町の復興工事一括発注 URと協定、迅速化図る

河北新報2012年07月20日金曜日

 東日本大震災で被災した宮城県女川町は復興事業を本格化させるため、国が示した新しい工事発注方式を採用し、19日に都市再生機構(UR)と協定を結んだ。ゼネコンなどの民間業者に工事に関わる業務を一括発注する方式で、復興業務が増大している被災自治体の職員不足を補い、事業を迅速に進めるのが狙い。新方式を導入したのは女川町が初めて。
 通常の公共事業は市町村が工事の調査や設計、施工を別々に発注している。震災復興は防災集団移転促進事業や土地区画整理事業などを同時進行させる必要があり、個別発注では時間がかかることから国土交通省が6月、一括発注方式を提示した。
 女川町の場合、URが協定に基づき事業主体を代行し、統括役の民間業者に事業を発注。統括業者が建設会社やコンサルタント会社などに調査や設計、施工を発注する。
 統括業者の公募は20日に始め、プロポーザル方式で選定し、9月末に契約を締結。事業の先行地区となる荒立地区の住宅移転先の高台造成や、宮ケ崎・石浜地区の水産加工団地の基盤整備などに着手する。
 協定調印式は町内の仮設商店街であり、須田善明町長は「町全体をつくり替えなくてはならない。全国でまちづくりを進めてきたURの力を借り、一日も早く復興を実現したい」と述べた。
 URの小山潤二震災復興推進役は「過去の経験やノウハウに頼るだけでなく、新たな知恵を結集して女川町の復興をサポートしたい」と語った。

福島第1.4号機の新燃料搬出 東電、作業を非公表

福島第1.4号機の新燃料搬出 東電、作業を非公表

燃料棒引き上げ作業2012・7・19河北新報
燃料棒の引き上げ作業に当たる作業員=19日、福島第1原発4号機(東京電力撮影)


河北新報2012年07月20日金曜日


 東京電力は19日、福島第1原発4号機の燃料貯蔵プールから未使用の燃料(新燃料)を試験的に取り出す作業を2日間の日程で終えたと発表した。燃料取り出しは廃炉工程に向けた重要な作業だが、東電は作業の事実を終了時まで公表せず、透明性に課題を残した。
 新燃料の試験取り出しは、廃炉工程の最初のヤマ場となる4号機プールからの使用済み燃料搬出をスムーズに実施するための取り組み。県原子力安全対策課によると、県と東電の安全協定では発電所構内の燃料輸送で事前通報義務はないが、県は東電に事前連絡を求め、東電は外部への秘匿を条件に9日、作業日時を連絡してきたという。
 東電の非公表は、原子炉等規制法が事業者に求める核物質防護規定に基づく。4号機建屋は水素爆発で屋根や壁が吹き飛び、貯蔵プールから取り出される燃料は建屋外部にむき出しになり、通常以上の防護が必要として、19日夕に新燃料2体が共用プールに搬入されるまで一切の事前公表を見送った。
 県原子力安全対策課は「事故後初の燃料取り出しで国民の注目を集めた。作業日程は核物質防護の機微情報に当たり、秘密裏に作業を進めているのではないことを国や東電は説明する必要がある」と、廃炉作業の情報公開の在り方に注文を付けた。
 今後本格化する廃炉工程では、新燃料の取り出しのように従来の安全協定で想定していなかった作業が続出する。県は事業者からの事前通報や報告の義務対象を拡大する方針だ。
[福島第1原発の廃炉工程] 政府と東電は第1期(2年以内)、2期(10年以内)、3期(30~40年以内)の3区分で工程を策定した。1期は4号機の使用済み燃料プールから燃料を取り出す。2期は他の炉から使用済み燃料を取って滞留水処理し、溶融燃料を摘出。3期は溶融燃料を取り出して放射性廃棄物を処分する。

生コン供給 業界危機感 原材料出荷制限相次ぐ 宮城

生コン供給 業界危機感 原材料出荷制限相次ぐ 宮城

河北新報2012年07月20日金曜日

 宮城県生コンクリート工業組合(仙台市)が、宮城県内で東日本大震災の本年度の復旧工事が本格化する今秋を前に、供給難への危機感を募らせている。今月に入り、生コンの原材料となる砕石や砂の供給業者が出荷制限に踏み切る事態が相次いでいるからだ。同組合は8月、国や県、原材料の供給業者との連絡協議会を設置し、需給ギャップの解消に全力を挙げる。
 砕石や砂は道路の路盤や舗装にも使用され、既に復旧工事で膨大な需要が発生している。原材料を供給する複数の業者は生コンを製造する協同組合や企業に対し、今月以降の出荷量の制限を通知。これを受け、生コン業者が自治体や建設業者に、休業日の増加や値上げを伝えるケースが出ている。
 津波で被災した沿岸部では2011年度末から国や県の公共工事が増加してきた。12年度予算に盛り込まれた復旧工事は9月ごろに本格化する見通しで、逼迫(ひっぱく)感はさらに強まるとみられる。
 宮城県生コンクリート工業組合の高野剛理事長は「盆明け以降に工事が増える。このままだと原材料は間違いなく不足する」と指摘する。既に、内陸部の自治体の公共工事に影響が出かねないケースも出ている。
 震災前、県内の生コン供給量は年間90万立方メートル程度だった。震災後の需要激増を受け、同組合は360万立方メートルを供給する体制を目指し、各地域の協同組合が製造プラントを増設。組合加盟の44工場に加え、非加盟の9工場とも連携し、増産体制を整えてきた。
 高野理事長は「供給体制はできつつあるのに(出荷制限のため)提供できない状態に陥るおそれがある。オール宮城で対応しなければならない」と強調。安定供給に向けた体制構築を急ぐ方針。
 県土木部は「(輸送コストなどの問題から)原材料の県内調達が前提だが、県外調達も視野に検討する必要がある」と説明し、資材不足に伴う復興の遅れ回避に力を入れる。

仙台聴取会で発言者に東北電幹部 「やらせでは」会場騒然

東京新聞2012年7月15日 19時43分
仙台聴取会

 第2回の意見聴取会で会場から運営方法に不満の声が上がり、参加者をなだめる細野原発相(中央)。両脇はSP=15日午後、仙台市


 政府は15日、今後のエネルギー・環境政策について国民から直接意見を聞く第2回の意見聴取会を仙台市で開いた。東日本大震災の被災地で初めての開催だが、9人しかいない発言者の1人として東北電力の幹部が原発を推進する意見を述べるなどしたため、会場から不満の声が上がり一時騒然となった。
 発言したのは東北電の事業戦略の中心的役割を担う企画部長。発言者には首都圏在住者も3人選ばれており、被災地の反発を招きかねない運営方法に批判が強まりそうだ。
 出席した細野原発事故担当相は聴取会後、発言者の選考過程の公正さを強調した上で、東北電幹部が含まれたことに不快感を示した。

11年度復興予算、4割が未執行=事業、想定通り進まず-復興庁

11年度復興予算、4割が未執行=事業、想定通り進まず-復興庁

時事通信(2012/06/29)

 復興庁は29日、東日本大震災からの復興に向け、2011年度予算に盛り込んだ事業費14兆9243億円のうち、約4割に当たる5兆8728億円が年度内に執行されていなかったと発表した。未執行分は12年度予算に繰り越すなどして対応しているが、被災地での復興事業が当初の想定通り進んでいない実態が明らかになった。
 平野達男復興相は同日の閣議後会見で、当初の見積もりではまず一定額の確保を優先したことを指摘した上で、「(今後は)自治体の実施状況を見ながら、現実に即した予算編成を今まで以上にやる必要がある」と強調した。
 11年度復興予算のうち、執行されたのは全体の60・6%に当たる9兆514億円。32・0%の4兆7694億円を12年度に繰り越して引き続き活用するが、7・4%の1兆1034億円は不用分として、国庫返納も検討する。

「早すぎる」被災者困惑 仙台・沿岸部集団移転事業

「早すぎる」被災者困惑 仙台・沿岸部集団移転事業

仙台市沿岸部集団移転事業計画


河北新報2012年06月21日木曜日

 仙台市東部沿岸地区の防災集団移転促進事業で、一部移転先の決定申込期限をめぐり、被災者に不満や戸惑いが生じている。移転先に関する今月2~8日の説明会で、市が示した期限は7月9日。「永住先を決めるのに1カ月は短すぎる」という声だ。期限は、農業再生につなげようと計画策定が進む圃場整備事業との関係から設けられた。市は「圃場整備との調整を図りながら、移転事業も早期に進めたい」と理解を求める。

<第1希望200世帯>
 市が用意した移転先14地区のうち期限が区切られたのは若林区の石場、宮城野区の上岡田などの7地区=図。他の地区は秋までとされた。
 「1カ月で決断を迫るのは酷だ」「他と同じく秋では駄目なのか」。説明会では、そんな声が相次いだ。石場地区への移転を求めてきた若林区荒浜の男性(71)は「広い意味での移転先は認められたが、具体的な位置など大半の要望が無視された。この段階で決められる人がどれほどいるのか」と期限設置と併せ、市に不信感を募らせる。
 4月末までに市が行った被災者の意向調査でこの7地区を第1希望としたのは、集団移転希望者の3割に上る200世帯余。第2希望として選んだ住民も少なくない。説明会では移転先の地価や位置などが具体的に示されたが、まだ未確定な要素も多く「決められない」と言う被災者も多い。

<来年度着手、必須>
 そもそも7地区について期限が切られたのは、被災農地約2000ヘクタールを対象に計画されている国営圃場整備事業の予定地内にあるからだ。
 事業は来年度の着手を予定しており、そのためには本年度末までに事業計画を確定しなければならない。農業者らの同意徴収や官報公告といった一連の法手続きに必要な期間を考えれば、7月中に事業計画の原案を作り、8月末までに計画を固める必要がある。
 原案作りの段階で移転先の場所と規模を決め、農地・非農地の区分を明確にしておくことが計画作りの必須条件だ。
 今回の移転対象地域である沿岸部の農地は、津波被害が甚大で通常の作業での復旧が困難。来年度に圃場整備に着手できなければ、再来年春の作付けは難しい。
 市東部農業復興室は「小幅であれば期限後の変更も可能。新たな営農形態の構築にも早期の計画確定が必要だ」と説明。市復興事業局も個別相談や申出書に関わる資料の送付段階でより詳細に説明し、その中で決断を求める考えだ。
 荒浜地区のある農家の男性(70)は「営農を再開するためには早期の圃場整備が必要だが、移転先を決めかねている住民にも配慮したやり方ができないものか」と柔軟な対応を望んでいる。

<仙台市の集団移転事業計画>津波で甚大な被害を受けた東部沿岸の7地区計1706戸を、内陸部14の移転先に集団移転させる。2015年度までの全地区の移転完了を目指す。総事業費は約567億円。集落単位で事業計画をつくる自治体が多い中、市内の全対象地域を一つの計画としてまとめて進めている。




大飯原発の再稼働表明を歓迎…経団連・米倉会長

(2012年6月11日19時49分 読売新聞)

 経団連の米倉弘昌会長は11日の定例記者会見で、関西電力大飯原子力発電所3、4号機の再稼働の必要性を野田首相が表明したことについて、「政治判断を非常に高く評価している」と歓迎した。
 橋下徹大阪市長らが求めている今夏に限定した再稼働に対しては、「経済活動、事業(の実態)を全然ご存じない発言だ」と批判した。

宮城15市町職員472人不足 土木系顕著、石巻最多

河北新報2012年06月12日火曜日

 東日本大震災で被災した宮城県内の沿岸15市町で6月1日現在、計472人の人員不足が生じていることが11日、宮城県の調査で分かった。必要な職員数(5月1日現在)に対する充足率は51.1%にとどまった。被災自治体における職員不足の実質的な規模が明らかになったのは初めて。
 各市町では、高台移転や土地区画整理事業などの実施に当たり、専門的な知識や技術が必要な分野の人手不足が顕在化している。不足人数の半数以上を土木系の技術職員が占めた。用地取得のノウハウを持つ職員の不足も深刻だ。
 15市町で震災関連業務で新たに必要になった職員数は計966人。このうち、全国の自治体からの派遣や市町独自の採用で充足されたのは494人。不足数は本年度事業を基にした算出で、事業の進行具合によりさらに膨らむ可能性もある。
 市町村別でみると、不足人数が最も多いのは石巻市の169人。必要人数233人に対する充足率は27.5%。
 不足人数が多い市町はほかに、気仙沼市が必要人数130人に対し75人(充足率42.3%)、山元町は104人に対し46人(55.8%)、東松島市は94人に対し45人(52.1%)、南三陸町は66人に対し24人(63.6%)だった。仙台市は93人の必要人数に対し、14人が不足している。
 県と15市町は14日、職員確保に関する連絡会議を設立。他自治体への職員派遣の働き掛けや民間企業への業務委託など負担軽減の方策を探る。
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宮城県地域連合労働組合(宮地連)

Author:宮城県地域連合労働組合(宮地連)
 宮城県地域連合労働組合(宮地連)は3・11大震災の被災者支援活動を継続しています。
 このブログでは被災地に関連する報道を全国のみなさんにお伝えします。

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